約 336,184 件
https://w.atwiki.jp/rozenkreutz/pages/24.html
少年は剣を… 1st Maxi Single CD --------------------------------- 終端の王と異世界の騎士 ~The Endia The Knights~ → 此れは… 終端の王と異世界の騎士達との 壮大な戦いの序曲である…… 世界を喰らう《終端の王》(エンディア) 継ぎ接ぎされた《偉大な可能性》(グランディア) 太陽の《狂詩曲》(ラプソディア)騎士の名を呼ぶ…… ──忌避すべき終端…王を退ける者… 《騎士》(ナイツ)とは即ち刃である 刻を孕む《終端の王》(エンディア) 調整された《偉大な可能性》(グランディア) 生命の《譚詩曲》(バラッディア)騎士の名を呼ぶ…… 仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》(カノン) 《地平線を渡る旋律》(物語)を口吟むのは誰の唇? ──異世界を繋ぐ鍵…騎士を戴く物… 《門》(ゲート)とは即ち駿馬である 歴史を呑む《終端の王》(エンディア) 改竄された《偉大な可能性》(グランディア) 運命の《交響曲》(シンフォニア)騎士の名を呼ぶ…… 争いの調べて躍る円卓の《円舞曲》(ワルツ) 《支配権の正統性》(物語)を振り翳すのは誰の正義か? 点いて往く灯火を…消えて逝く灯火を… 漆黒の《髪》(やみ)が…緋い《瞳》(ひかり)が…黙したまま見送るだけ… 嗚呼…唯…頁(ページ)をなぞる様に…《戯曲》(ドラマ)通りに《役者》(ドール)は踊り… 残酷な幻想の美しい棘が…仄甘い《陶酔》(ゆめ)を魅せ… 残酷な幻想の華やかな毒が…仄昏い奈落へと《観客》(きみ)を誘う… 願ったこと全てが叶う世界ではない → だからこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 嗚呼…希望も絶望も両手で抱きしめて → それでこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 「嗚呼…どんなに強い向かい風であれ決意という翼を折ることは出来ない!」 「どんなに強い風でも其の翼を折ることは出来ない!」 無限に繰り返す痛みは輪廻の《輪舞曲》(ロンド) 《世界が失った可能性》(物語)を取り戾すのは誰の剣か? 今…ハジマリの空に浮かべた追悼の《追走曲》(カノン) 《第五の地平線の旋律》(物語)を口吟むのは《少年》(かれ)の唇…… --------------------------------- 緋色の風車 ~Moulin Rouge~ 廻る回る《緋色の風車》(ムーランルージュ)綺麗な花を咲かせて 躍る踊る《血色の風車》(ムーランルージュ)綺麗な花を散らせて 小さな掌に乗せた硝子(ガラス)細工… 其の宝石を「幸福」(しあわせ)と謳うならば… 其の夜の蛮行は時代にどんな爪痕を遣し… 彼等にはどんな傷痕を残したのか… 運命に翻弄される弱者の立場に嘆いた少年は… やがて「力」を欲するだろう… 其れは…強大な力から身を守る為の「楯」か? 其れとも…より強大な力でそれをも平らげる「剣」か? 何が起こったのか…良く解らなかった… 泣き叫ぶ《狂乱(ルナ)の調べ(ハーモニー)》…灼けた《屍肉(にく)の風味(フレーバー)》… 何が襲ったのか…良く解らなかったけど… 唯…ひとつ…此処に居ては…危ないと判った… 僕は一番大切な《宝物》(もの)を 持って逃げようと → 君の手を掴んだ…… 嗚呼…訳も解らず息を切らせて走っていた二人 欲望が溢れだすままに暴れて奴等は追い掛けてくる…… 星屑を辿るように…森へ至る闇に潜んだままで… 訳も解らず息を殺して震えていた二人 絶望が溢れだすことを怖れて強く抱き合っていた 不意に君の肢体が宙に浮かんだ → 怯え縋るような瞳が ← 逃げ出した僕の背中に灼きついた… 廻る回る《緋色の風車》(ムーランルージュ)灼けつく《刻》(どき)を送つて 躍る踊る《血色の風車》(ムーランルージュ)凍える《瞬間》(どき)を迎えて 嗚呼…もし生まれ変わったら…小さな花を咲かせよう… ごめんね…次は逃げずに…君の傍で共に散ろう…… 《緋色の風車》(ムーランルージュ)… --------------------------------- 神々が愛した楽園 ~Belle Isle~ 神話は生まれ…伝説は語られ…歴史は唯記される── (ベルアイル) 嗚呼…物語は詠うように紡がれ続ける…… 死を抱き眠る冥闇の水面を渡り揺れる焔… その灯火を生命と呼ぶなら → 言葉は力と成るでしょう… 何時しか其処に奪う者と奪われる者も生まれた… たっだひとつを天秤に架けて → 争いは廻るでしょう… 故郷を喪った仔らは忘れない… 父の無念も…母の哀しみも…嗚呼…遠き大地を… 少年はやがて剣を取るでしょう…そしてその剣が折れても… またその仔らへと託すのでしょう…遥かなる《年月》(どき)の祈りを… (ベルアイル) 平原は荒れ果てて砂漠と化し…海原は立ち上がり大地を呑む… 災厄の根が幾重にも絡み合い…異なる世界を繋ぐ《門》(ゲート)は開かれる… 敵の憎悪は同情を遥かに凌ぎ…侵略ではなく完全なる破壊を望む… 氷と焔の相容れない宿命のように「神々が愛した楽園」は戦場へと変貌した…… 屍を積み上げて ← 土台は築かれる… 脆く儚い現実は…瓦礫の城 亡骸の頂きに ← 平和は咲き誇る… 甘く拙い幻想は…硝子(ガラス)の色 恐怖を差し出ぜば…狂気が降り注ぐ…共存の道を蹴って… 猜疑は爪を研ぎ…正義は牙を剥く…定規を捩じ曲げたまま──いずれ… 少年は白き翼を得るでしょう…そしてその翼が折れても… またあの空へと詠うのでしょう…愚かなる《人々》(かみ)の願いを… 嗚呼…少年は黒き剣を取るでしょう…そしてその剣が折れても… またその仔らへと託すのでしょう…遥かなる《年月》(どき)の祈りを…… 少年は手に『剣』…背に『翼』…瞳に『未来』を── (ベルアイル) 嗚呼…物語は頁(ページ)を捲るように紡がれ続ける →
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1510.html
3話:少年と、猫 エリアA-2教会の礼拝堂の中で、小学生の少年大沢木小鉄と、 青い髪を持った猫女、フェリシアが会話していた。 「すげーな、ねーちゃん人間じゃねーの?」 「アタシはキャットウーマンだからね~、本当は猫なんだよ」 最初フェリシアが礼拝堂のパイプオルガンに登って遊んでいる小鉄を発見し、 自分の見た目で忌避されないかどうか心配だったが、小鉄少年は意外にも、 少し驚いた程度で済ませてしまった。 「本当の猫に変身も出来るんだけど…どうも、力が封印されてるっぽくてね。 多分この首輪のせい」 「首輪かぁ…俺にもはまってるぜ。これ、爆発するとか何とか…下手にいじんねぇ方が 良いって事は分かる」 「何とかしたいニャ……小鉄君、小鉄君はこの殺し合いに知り合いっている?」 フェリシアが小鉄に訊く。 「ああ、名簿見たんだけど二人いた。土井津仁と春巻龍」 「ドイツ人?」 「違う違う土井津仁。土井津が苗字で仁が名前なんだよ」 「そ、そうなんだ…変わった名前だね」 「まあな…仁は俺の友達で、春巻は俺の担任なんだ…けど、俺より弱くて馬鹿なんだぜ。 …フェリシアねーちゃんは誰かいるのか?」 「いるよ…ガロンって言う、青っぽい狼男」 「マジか! 狼男って本当にいたんだな……」 小学生故の純粋さかそれとも彼自身の大らかさか、 普通なら疑ってしまいそうなフェリシアの話も易々と信じる小鉄。 「支給品見てなかったね…私は……」 フェリシアは自分のデイパックからランダム支給品を取り出す。 一つはメリケンサック、もう一つは――――。 (!! ちょ、何これ…これは小鉄君には見せられないわ…) それは男の象徴を模した大人の玩具――デ○ルド。 それの各種サイズのセットで、どう考えても小学生の前で提示出来る代物では無い。 いや、そもそも殺し合いの道具にこんな物を支給する主催者の考えが分からない。 自分でも分かる程頬が熱くなっていく。 ――主催者。そう言えば主催者は一体何者なのだろうか。 テレビ越しのメッセージだけで、姿は愚か声も聞いていない。 このような狂ったゲームを開催するのだからきっとロクな奴ではないだろうが。 「フェリシアねーちゃん? どーした?」 「え? いやいや何でもないよ! わ、私の支給品はこのメリケンサックみたいね!」 「……」 「そ、それより小鉄君は何を支給されたの?」 「お、俺か? 俺は……」 自分のデイパックを漁る小鉄。 そして、黒光りする一丁の自動拳銃を取り出した。 FNブローニングハイパワーMk.III――9ミリパラベラム弾使用の堅牢な拳銃である。 予備のマガジンが3個付属していた。 「銃か…良いね」 「あ…まだあるぞ」 小鉄がデイパックの奥から、更にもう一丁、今度は超小型の自動拳銃を取り出した。 コルトM1908――ベストポケットの愛称がある護身用拳銃だった。 こちらもマガジンが3個付属している。 ハイパワーは小学生である小鉄が使うには大き過ぎたため、 M1908ベストポケットを小鉄は装備する事にした。 「すげぇ…本物の銃だよなこれ」 「うん……気を付けてね、使う時は」 「使う時か…出来れば使いたくねぇな」 無駄な願いだとは分かっていたが、この拳銃で他人を撃つ時が来ない事を小鉄は願った。 【一日目/早朝/A-2教会礼拝堂】 【大沢木小鉄@浦安鉄筋家族】 [状態]良好 [装備]コルトM1908ベストポケット(6/6) [道具]基本支給品一式、コルトM1908ベストポケットのマガジン(3)、 FNブローニングハイパワー(13/13)、FNブローニングハイパワーのマガジン(3) [思考] 1:殺し合いには乗らない。仁と春巻を捜したい。 2:フェリシアねーちゃんと行動。 [備考] ※ガロンの特徴をフェリシアから聞きました。 【フェリシア@ヴァンパイアシリーズ】 [状態]良好 [装備]メリケンサック [道具]基本支給品一式、デ○ルドセット [思考] 1:殺し合いをする気は無いが襲われたら戦う。ガロンと合流したい。 2:小鉄君と行動。 [備考] ※土井津仁、春巻龍の特徴を大沢木小鉄から聞きました。 ※デ○ルドセットの事を隠しています。 ※特殊能力がかなり制限されています。 ≪支給品紹介≫ 【FNブローニングハイパワー】 支給者:大沢木小鉄(予備マガジン3個とセット) 天才銃工ジョン・ブローニングが晩年に設計し、 その死後FN社の技術陣によって1934年に完成した自動拳銃。 開発当時としては装弾数が13発と多かった事から「ハイパワー」と名付けられた。 信頼性が高い、近代オートマチックピストルの教科書的存在。 【コルトM1908ベストポケット】 支給者:大沢木小鉄(予備マガジン3個セット) .25ACPという小型弾を使用するコルト社製の超小型自動拳銃。 隠し持ち易く扱いも容易だがあくまで護身用なので威力は低い。 【メリケンサック】 支給者:フェリシア 拳にはめて打撃力を強化するための武器。 【デ○ルドセット】 支給者:フェリシア 男のシンボルを模した大人の玩具の各種サイズ詰め合わせ。 愛に狂うのかそれとも狂った愛なのか 時系列順 I could not look back you d gone away from me 愛に狂うのかそれとも狂った愛なのか 投下順 I could not look back you d gone away from me ゲーム開始 大沢木小鉄 頭が四つもあれば発想も……。 ゲーム開始 フェリシア 頭が四つもあれば発想も……。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/6633.html
autolink() MK2/S19-088 カード名:優しい少年 ユタカ カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《怪盗》?・《執事》? 【永】舞台にこのカードがいるなら、このカードは《探偵》?を得る。 【永】応援このカードの前のあなたのキャラすべてに、パワーを+500。 いかないで…… レアリティ:C illust. ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 怪盗カリオストロ 1/0 5000/1/0 青
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/51119.html
【検索用 すたーけいさー 登録タグ VOCALOID す タケノコ少年 初音ミク 曲 曲さ 瀬戸わらび】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:タケノコ少年 作曲:タケノコ少年 編曲:タケノコ少年 絵:よぴ(瀬戸わらび)(twitter) 唄:初音ミク 曲紹介 天の川遠く光る 曲名:『スターゲイザー』 タケノコ少年氏の41作目。 1stシングル『スターゲイザー』収録曲。 歌詞 (piaproより転載) 天の川遠く光る もう一度2人が笑うその日に 願い事を綴る横顔が綺麗だ 何年も変わらない君だ 願い事も同じく変わらない 2人の幸せ思い描く、続ける 天の川遠く光る もう一度2人が笑うその日に 何もかも叶ったらいいな 雨戸越しにでもわかる 空に輝いた無数の星よ 見守ってて 星空を見上げる横顔が綺麗だ 何年も変わらないといいな 2人、願い事は同じく変わらない 2人の幸せ思い描く このまま 天の川遠く光る もう一度2人が笑うその日に 何もかも叶ったらいいな 雨戸越しにでもわかる 空に輝いた無数の星よ 占って、ねえ 星に願いを、幸せになあれ 2人このままずっと 天の川遠く光る もう一度2人が笑うその日に 何もかも叶ったらいいな 雨戸越しにでもわかる 空に輝いた無数の星よ 見守ってて コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sing-sh/pages/75.html
少年は剣を… < > Sound Horizonの1st Maxi Single。 ティームエンタテインメントより2006.10.4に発売。 当初は9月発売であったが諸々の事情によりひと月発売が遅れた。 第二期としての初作品で、Sound Horizon名義としては初のタイアップ作品である。 (過去にもゲームやアニメの音響制作に携わったりイメージアルバムを出しているが何れも個人名義である。) M1はカオスウォーズ、M3はベルアイルというゲームの主題歌である。 また、M2はRomanからの先行収録曲(別アレンジ)である。 ボーカルとしてYUUKI,KAORI,REMI,RIKKI、 ナレーションとしてJimangの他に大塚明夫,深見梨加,Ike Nelsonが参加。 通称:少年 収録曲 終端の王と異世界の騎士~The Endia & The Knight~ 緋色の風車~Moulin Rouge~ 神々が愛した楽園~Belle Isle~ ボーナストラック トラック4(Silent Track) トラック5(Romanメインテーマ) 初回特典 1. 『少年は剣を・・・』ブックマーク(しおり)[※1] 2. 『ベルアイル』アイテムチケット ※1:3種類の絵柄の内どれか1つ封入 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/446.html
全ては、そこから始まった。 大地を響かせてゆっくりと前進するそれは、次第にその歩く速度を速めた。 早歩きのようなスピードに達した時、それは簡単に宙を飛んだ。 道路の脇に停めてあった乗用車を軽く浮き上がらせる程の衝撃と共に。 __時を遡る事数時間。 放課後、内藤は1人学校の敷地内。グラウンドの端をうろついていた。 別段目的が在る訳ではなく、うろつくのはさして珍しい事でもない。 明日から夏休みが始まる。 今年はいつにもまして暑く、各地で記録的な「何か」が相次いで起こっていた。 内藤は感覚的に、今迄過ごしてきた人生の中で最も暑い夏だと感じていた。 校庭に植えてあった桜はいつもより早く咲いた。 どういうわけか、梅雨前線は未だに襲って来る気配がない。 実に喜ばしい事だった。 ジメジメした梅雨を好む人間等そうそう居ない。勿論、内藤も好まない。 「…にしても暑過ぎる」 Yシャツの襟元に手をかけ、多少乱暴に風を入れる。 が、面倒くさくなってボタンを全部外す。 大きく伸びをし、照りつける太陽を睨みつける。 睨みつけてもどうにもならないので、大人しく目を逸らす。 暑さからくるため息を吐き出しながら、芝生に座り、見るでもなく周りを見やる。 グラウンドでサッカー部がサッカーボールを蹴っている。 野球場で野球部が何かをしている。(内藤は、野球にあまり興味が無い トラックで陸上部が走ってる。 これぞまさしく。 「平和だな」 にしても、暑い。 様々な部活の活動を眺めるのに飽きた自称帰宅部部長の内藤も、部活動を開始した。 鞄を持つ手もだらしなく、格好そのものもだらしない事この上無い。 暑いんだから、しょうがない。 歩く内藤の姿はまるで負傷者だ。 足を引きずり、手をだらしなく下げ、顔もなんだか青白い。 全ては暑さのせいだ。 帰路につくだけで死にそうになる。 なるべく植木のそばの日陰を通ってトボトボ歩く。 内藤の通う高校はそれなりの都会にあった。 通行量の多い駅前通りとそれを囲う大小様々なビル。 休日になるとただでさえ多い人が更に多くなり、車の数も飛躍的に上がる。 「はーはは…」 ビルの真上に今だ燦々と照りつける太陽を見て、情けない声を出す。 そんな内藤を、通り過ぎる人々は気にもとめない。 だから、また日陰を求めつつ、植木の下を延々歩くのだ。 雑踏、雑踏、また雑踏。 車の通行音、横断歩道のピーポー鳴る奴、足音、足音、足音。 機械的な人々の行列が、なんともつまらない。 ただでさえ暑いのに軍隊みたいな行進の音が非常に耳障りだ。 畜生。いっそ何か事件でも起きないかな。 どっかで何か起きたら野次馬が集まって足音少しは軽くならないかな。 ああ、でもそんな面白い事があったら俺も野次馬しちゃうな。駄目だな。 なんかさ、ほら…ゴジラとか。 こう、あんな風にビルの間からでっかい何かが… 「あれ?」 一瞬、足が止まった。 次いで、目をゴシゴシやる。おかしなものが見えた時によくやるアレだ。 大抵、これをやると見た者が消えてるか、未だにあるかのどちらか。 そして今回は運良くか、悪くか、後者だった。 内藤が見たのはビルの間から出て来た何かだった。 ゴジラとは違う、まったくの機械。ロボット? 電信柱くらいの大きさの青いソレは、ゆっくりと足を挙げ、踏み出した。 二足歩行だ。足らしき部分が二つある。 青い…四角っぽいフォルムだが背中と呼べる部分に大砲のようなものがくっついている。 内藤は慌てて周りを見回した。 これが自分にだけ見えている幻覚なのか、それとも現実なのか。 足音は止まり、車の急ブレーキ音ばかりが駅前通りを支配していた。 道路の真ん中に躍り出た機械は、まっすぐ駅の方面へと向かう。 車から降りて驚きのあまり口をあんぐり広げ見上げていたドライバーの横。 彼の乗っていた車を、機械はあっさり踏みつぶした。 その一歩が、合図だった。 悲鳴、足音、急ブレーキ音。 これこそ、ゴジラとの唯一の共通点。逃げ惑う人々。 「嘘だろ…」 内藤は鞄を手から落とし、数10メートル先にそびえ立つ機械を呆然と眺めていた。 どうしてだか、逃げる気にならなかったのだ。 彼はとある事情で人とあまり触れたくはない。 幼い頃から染み付いた習慣故、彼は人ごみを避ける。 逃げ惑う人々の中に混じる事を、長年の経験と習性が引き止めた。 が、機械はまっすぐこちらへ向かって来る。 つーか、コレは何だ。宇宙人の侵略兵器とか?某国の最新兵器か? 巨大なアシモをあそこが開発したのか? 向かってるのはまっすぐだ、駅へ行くのか? どうする? 後から後から涌いてでてくるのは、現状に対する疑問だけだった。 急いで周りを見渡す、こちらへ向かって走ってくる人々。 その奥でゆっくりと車を時々踏みつぶしながら進んで来る何か。 自分は、植木の日陰で間抜けにつったっている。 これは、マズイ! 人には、触れたくない。 というか、この流れは駅方面だ。奴の進行方向も駅方面だ。 ふと、側にそびえ立つビルを見た。 人が居る。窓の周り、おそらくカフェとかレストランだろう。 驚きの表情でアレを見つめている客と店員。 「中は…もしかしたら安全か…?」 考えている暇は無い。 直感で内藤は自動ドアへ向かって走り出した。 そして、開いたドアへ飛び込んだと同時に、人とすれ違ったのだ。 「…なっ!おい!」 すれ違う。つまり、中から外へ出た人間。 彼もまた、走っていた。飛び出したのだ。 内藤は彼を止めようと手を伸ばしたが、一瞬躊躇した。 触れては、いけない。 不愉快な習性が彼を止める邪魔をした。 残った内藤は、ただ彼の後ろ姿を馬鹿みたいに眺めているだけだった。 同じ、学生。顔は良く見えなかったが、同じ学校の生徒だ。 彼は、何故外に。外の方が安全だと思ったのだろうか。 「文夫!」 呼ばれた内藤は、びっくりして振り返った。 「…ああ」 「何が、ああ…よ!バッカじゃないの?」 「はぁ…そうだ。今、ここを出て行った奴誰だか解る?」 聴かれた少女は数秒、悩み。口を開いた。 「顔は…あまり見えてない…いきなり出て行ったから私もびっくりしてたし」 「そうか」 答えて、内藤はエレベーターへと歩いて行った。 後から、少女も付いて来た。 彼女は、内藤が自ら触れるただ一人の人物。 窓の外を眺める。 今、まさに目の前を通りすぎていく巨大な機械はまっすぐ進んでいく。 内藤は、冷静だった。 自分が自分であるからこそ、自分が少々特殊な人間であるからこそ、冷静だった。 自分がこうだから、きっと世界のどこかにこんなのがあるんじゃないか。 漠然とした何かを、ずっと心の隅に抱えていた。 この機械が自分に何か関係があるのか考えていた。 だけど、機械は自分を通り過ぎ、駅へと向かって行く。 よく解らない。 まるで、自分は映画の観客だ。 「何なのかな…アレ」 「俺に聞かれてもなぁ、今んとこ害は…車を数台踏みつぶしてるくらいか」 無惨にも潰された車が、いくつか転がっている。 道ばたで見かける踏みつぶされたガムみたいだ。色も様々。 「どうしよう…」 少女の顔は青ざめていた。彼女の家は駅の向こう側にあるのだ。 このままアレが駅を越えて行くと、彼女の家の方向に進む事になる。 今のところ律儀に道路の上を直進しているが、急に進路を変えないとも言い切れない。 訳の分からないものに自分の家を潰されるなんてまっぴらごめんだ。俺だってそう思う。 だけど、何もできやしない。 こうして見てるだけの存在なんだ。それが、観客だ。 とりあえず、表面上だけでも 「なんとか、なんとか…うーん…」 どうにもできない。俺の言葉に意味は無いのだ。 不意に、少女の右手が内藤の左手を掴んだ。 普段なら全力を持って回避するが、彼女にだけはしない。 一度触れてしまうと、何度触れても同じだ。 「あ!」 彼女が、何かを指差した。 少年、先ほどすれ違った少年が居た。 目で追うも、曲がり角で姿を見失った。 「思い出した、確か…せい…え?」 「なんだ…?」 一瞬の出来事だった。 少年が曲がり角を曲がった。 数秒後、そこからまたしても巨大な機械が躍り出て来た。 しかも今度は人の形をしている。 足が二つ、手も二つ、頭らしき部分もある…が巨大な筒状の何かを握っている。 銃…銃か? 対峙する青色の機械より一回り大きい、色は楠んだ銀色。 呆気にとられている内に事態は進展した。 青色の機械の方が前進をやめ、背負った大砲らしきものから弾丸を発射したのだ。 轟音と共に肉眼で確認できる大きさのモノが目の前を通り過ぎた。一瞬だ。 だが、銀色の奴はそれを躱したのだ。 一瞬、ブレるように横へ移動。瞬間移動かと疑うスピード。 「す…」 すげぇ、と言いたかった。単純に驚嘆の声をあげようとした。 しかし、良く考えるとこれはまずい。 弾丸を躱したのだ。当たり前に弾丸はそのまま突き進む。 予想通り。遥か遠く、駅に着弾した。 駅方面へと逃げていった人達がそれを合図にバラバラに散って各々逃げた。 同じくして、隣に立つ彼女の身体が一瞬ビクリと震えた。 多分、俺もだ。 そして、今この周りにいる人達からもどよめきの声が。 ドン。そんな音が聞こえた。また、発射の音だ。 青いのがまた大砲をぶっ放した。 今度は銀色のが避けようとしない、そのまま着弾したがピンピンしていた。 どうやらそこらの建造物よりはよっぽど頑丈らしい。 いや、大砲の直撃を受けて平気なのだから…結局良く解らない。 両者の距離は100mと離れていない。 だからってそんな頑丈な… どうにもならない事を考えているうちに、銀色のが動いた。 一歩。また、一歩。 「銀色」はゆっくりと歩いた。 次第にその速度をあげ、早歩きのようになっていく。 そして、跳んだ。 周りにあった「青色」に潰されていない車をついでに吹き飛ばした。 背中から炎が吹き出してる。まるでロケットを背負っているようだ。 一気に加速した「銀色」は右手に構えた銃をまっすぐ突きつけ、「青色」に迫る。 瞬く間に縮まった両者の距離。 「青色」は大して動くこともできず、銃の先端を突きつけられ爆破した。 接射したのだろう、と俺は予想したが。いまいち良く解らない。 もう、全てのことが良く解らない。理解出来る範疇を越えた出来事だった。 だから、どうやって家に帰ったのか覚えて無い。 ここ、どこだ。俺の住んでた街じゃ、無いのか。 突如街中に現れた2体のロボットは、片方が片方を壊すという奇妙な結果に終わった。 数分して駆けつけた警官達がみたのは結果だけ。 そびえ立つ「銀色」と、粉々になった「青色」の破片。潰れた車、半壊した駅。 暫くして、一人の少年が突如現れ「銀色」の元へ走った。 あまりに突然だったため、近くに居た警官は彼を取り押さえる事が出来なかった。 後ろからの静止の声を振り切った少年は「銀色」の足に触れる。 またも不可思議な事が起きた。 一瞬に「銀色」の姿は消え、残ったのは少年だけ。 少年はその手のうちに、ぬいぐるみのような「生物」を抱えていた。 少年は越前裕と名乗り、警官達に自分が「銀色」と関係があると語った。 そして当の「銀色」である、と彼が差し出したぬいぐるみのようなソレは 自らを「ジャック・O」と名乗る。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/56000.html
【検索用 しょうねんはんさいはーけんせーる 登録タグ 2018年 No.734 UTAU こんにちは谷田さん し はるふり 曲 曲さ 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:はるふり 作曲:はるふり 編曲:はるふり ベース:こんにちは谷田さん 絵:No.734 唄:重音テト 曲紹介 アンダー・ティーンエイジャー 曲名:『少年犯罪バーゲンセール』(しょうねんはんざいばーげんせーる) 歌詞 昼下がりは太陽の陰に隠れて コンビニの中で拾ったパンを喰らう 成金の腰にそっと手を忍ばせて 肖像画を集めたら残りは川へ捨てる あぁ泥沼に嵌ってしまうんだ 幾千万の手を引かれ あぁ心を満たしていくんだ不快な渦で 少年犯罪バーゲンセール 意味のないことばかり羨んで 喉を切って喚き散らしてよ 街を這って殺人ゲーム 犯罪バーゲンセール 五臓六腑を全部掻き出して 目に余った人体実験 命なんて粗末なもんだなぁ 貪着な蛇が無頓着な日々に迫って ワンルーム彩る窓が砕け散る 感心な性が無関心な塀を破って 荒廃した血に花が咲く 赤子は蜜を舐める あぁ足跡染まっているんだ 洗ったって落としきれない あぁ心を満たしていくんだ でもなんだってこの黒いやつは あぁ倫理が狂っているんだ 意味なんて後付けでいい あぁ心を満たしていくんだ 口元が緩む 少年犯罪バーゲンセール 気味のないことばかり疑って 縁を切って鈴を鳴らしてよ 息を張って殺人ゲーム 犯罪バーゲンセール 五臓六腑を全部掻き出して 目に適った人体実験 心なんて何処にもないんだなぁ 少年犯罪バーゲンセール ティーンエイジになってしまう前に 火蓋切って全部やり尽くしてよ 賽を失くした人生ゲーム 少年犯罪バーゲンセール 意味のないことばかり羨んで 喉を切って喚き散らしてよ 街を這って殺人ゲーム 犯罪バーゲンセール 五臓六腑を全部掻き出して 目に余った人体実験 命なんて粗末なもんだなぁ コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/keikenchi2/pages/591.html
太陽がギンギンに照り付ける蒸し暑い中、草むらの中を麦わら帽子を被り、手に虫取り網を持った少年が歩いています。 少年は数日前にカント―地方からこのイッシュ地方に家族と共に引っ越してきたばかり、 新しい家では両親は引越したばかりで忙しく、退屈になった少年は近くの草むらに虫取りに来たのです。 少年はカント―に住んでいた頃も虫取りが大好きで、よく森でキャタピー等を捕まえていました。 「この地方にはどんな虫がいるんだろうな~」 未知の土地に住む未知の虫に少年は心を躍らせています。 ガサガサッ その時、少年の近くの草が揺れました。 「お、虫か?」 反射的にその部分に網を振り下ろした少年。 「チ、チィィ!チィィ!」 「…ん、何だこりゃ?」 網を持ち上げてみると、中にはピンク色をした小さなチビンネが入っていました。 「チィィィ!チュピィィ!」 初めて見るイッシュ地方のポケモンが珍しいらしく、少年は網の中でパタパタ手足を動かしてもがくチビンネをしげしげと見詰めています。 「何だろこれ…?虫、じゃないよな、尻尾あるし…」 網からチビンネを掴み出し、観察する少年。 「でも触覚みたいのもあるぞ」 と少年はチビンネの大きな耳の下にあるフニフニの触角をつんつん引っ張ります。 「チィ!ヂィィー!ヂィィー!」 触角は相当敏感な器官なのか、チビンネは触角を押さえてさらに泣きながら暴れます。 「まっ、いいや、後で図鑑で調べてみよ!」 そう言って少年は持ってきた虫かごにチビンネを押し込み、蓋をしました。 チビンネの頭が天井に届くか届かないかの狭い虫かご… 当然チビンネは「ここからだして!」とばかりにアクリルの壁をペチペチとたたきますが、未知のポケモンを捕まえて若干興奮気味の少年にはそんなことは気になりません。 少年はチビンネを入れた虫かごを持って走って家まで帰りました。 「チビッ!フィ!ヂィィ!ヂギィ!」 その際チビンネは何度も何度も天井に頭をぶつけました。 「ねぇママ!ピンクのポケモンを捕まえたんだけどこれ何てポケモンだと思う?虫かな?」 新しい家の玄関に駆け込んだ少年は母親に見せるようにして手に持った虫かごを差し出します。 「ん、ちょっと今は忙しいから後にしてよ、あっ、あと虫の入った虫かごなんて汚いから家の中に入れないでよ!」 「ちぇーっ」 でも少年の母親は虫かごに目もくれませんでした。 仕方なく少年は虫かごを外に置いて家の中から図鑑を持ってきました。 しかし少年が持っているのはカント―の図鑑、当然タブンネのことは載っていません。 「あれ~…載ってないな、もしかしてこれ珍しい奴なのか?」 「チィチィ!」 すると、図鑑を眺める少年に対してチビンネが大き目の声で鳴きました。 少年が目をやると、チビンネは自分のポッテリした黄色いお腹を押さえて何かを訴えています。 「あぁ、腹が減ったのか」と少年はすぐにチビンネの言わんとすることがわかりましたが、何を食べさせれば良いのかわかりません。 「このピンクいのって何食べるんだろーな…全然わかんないや、キャタピーみたいに葉っぱとか草でも食べるのかな?」 少年はそのへんに生えていた雑草を無造作に引っこ抜くとそれを虫かごの中に入れました。 「チ!?チィィ!」 その際雑草の根っこについていた土が大量にチビンネの顔にかかりました。 「ヂィィ…ペッ!ペッ!」 青い瞳をゴシゴシ擦りながら小さな舌を出して口の中に入ってしまった土を吐き出すチビンネ。 ついでに少年はそのへんに落ちていたアイスのカップ(ゴミ)も拾い、そこに水を入れてそれも虫かごに入れました。 いきなり雑草を入れられてチビンネは少年の意図がわからず「チィィ…」と困惑します。 「腹減ったんだろ?餌と水だよ」 それを聞いてチビンネはこんなのたべられないよ!と鳴きますが少年は 「あー、ボクも腹減ったな~、おやつ食ってこよーっと!」と家に戻ってしまいました。 「チィィ…」 ガックリと項垂れるチビンネ、せめて喉を潤そうとアイスのカップを覗き込んでみます。 しかしカップの中の水は溶けたアイスの残りと土が混ざり合っていて、とても飲めたものではありません… 一方少年は、冷蔵庫の中からよく冷えたオボンの実を出して皮を剥き始めました。 シャクシャクと少年がオボンを食べる音をチビンネの良い耳がキャッチしました。 チビンネが音のする方を見ると、窓越しにオボンを食べる少年の姿が映りました。 「チィー!チィチィ!チィィー!」 チビンネをそれを指差して「それがたべたいよぅ!」と大声で鳴いて訴えますが少年は「よく鳴くポケモンだなー」と気付いてくれません。 結局少年はオボンをすべて食べてしまい、未だチィチィオボンを要求するチビンネの元へと戻ってきました。 「何だ、全然食べてないじゃん」 虫かごの中を覗いて少年は言いました。 「チィィ!チィチィ!」 チビンネは両手でオボンの形を作って必死に少年に伝えようとしています。 残念ながらそれも少年には伝わらず、少年はチビンネを虫かごから掴み出して食べさせようと口元に草を当ててきます。 「ヂィ~!チィィ!」 当然チビンネは顔をプイッと背けてそれを拒否します。 「食べないなぁ…」 「ピィィィ!」 少年がさらに草をを押し付けると、草の先端がチビンネの目に当たってしまいました。 悲鳴をあげて青い瞳を押さえるチビンネ、少年はその隙を見逃さず、すかさずその口の中に草をつっこみました。 「チギィ!?エッ、エッエッ!?」 喉の奥を突かれたチビンネは強烈な吐き気に襲われます。そして背中をプルプルと震わせながら朝に食べた木の実を吐き出してしまいました。 少年は驚いてチビンネを持つ手を放してしまいます。 自分の出した嘔吐物の上にペシャリと音をたてて落ちたチビンネはその酸っぱい臭いに顔を顰めながらもよちよちとした足取りで逃げようとしましたが、ヌルヌルした嘔吐物で足が滑らせて転んでしまいます。 「うわぁ、ばっちいなぁ…」 耳の先を摘まんでチビンネを持ち上げる少年。 チビンネは自分の耳に全体重がかかり、苦痛の表情を浮かべています。 「洗ってやんないとな」と少年はチビンネをバケツに放り込むと庭の蛇口がある所まで運びました。 蛇口の下にバケツを置いて水を出す少年。 「チ!?チィィ!チィィ!」 バケツにはどんどん水が溜まっていきます。チビンネはぴょんぴょん跳ねて短い手でバケツの縁につかまろうとしますがなかなかうまくいきません、例えつかめたとしてもそのままよじ登るだけの力はチビンネにはありません。 そうしている間にも水嵩はどんどん増していき、遂にチビンネの身長よりも高くなりました。 「チビィィ!ガボッガバッチプッ!ごボッ!」 沈んでは浮くを繰り返しながら必死に手を伸ばして鳴き、少年に助けを求めるチビンネ。 少年はチビンネを見ているだけで手を差し伸べようとはしません。 「チボ、チバッ!ごボゴボ……」 チビンネが意識を失いそうになった時、やっと少年の手がチビンネを救い上げました。 「よーし汚れ落ちたな!」 「チヒィ…チヒィ…ヂィィ…」 全身のフワフワの毛が濡れたことにより、体にピッタリとくっつき、苦しそうに肩でゼエゼエ息をしているチビンネ。 少年はそんなチビンネを再びあの狭い虫かごに戻しました。チビンネには最早抵抗をする体力も残っていませんでした。 「もしかして今は腹減ってないのかな?それともボクがいるから食べないのかな?じゃあしばらく昼寝でもしてこようかな」 少年が離れていった後も、チビンネは暫しの間動けませんでした。 しばらくして大分楽になり、濡れていた体もすっかり乾いたチビンネ、 しかしそんなチビンネを新たな苦しみが襲います。夏の灼熱の暑さです。 「チィ…チィ…」 虫かごの中の壁や天井の蓋は透明なので日光は通しますが風は通しません、まさに蒸されるような暑さです。 せっかく乾いた体も流れ出る汗でぐっしょりと濡れてしまいました。 喉も先程水を大量に飲んだのが嘘のようにカラカラです。 水を飲もうにも虫かごの中にはあの汚水しかありません。 「ヂィ~…!チィチィチィ…!!」 チビンネは窓越しに少年に向けて鳴きますが少年はクーラーの効いた部屋でぐっすりと眠っています。 「チィ……」 チビンネはしばらくアクリルの壁をたたき続けましたが状況は変わりません。 仕方なくチビンネは少しでも日光を避けようと少年の入れてくれた葉っぱや草の影に入りました。 そのまま日が暮れて夜になりました。 二日目 「ヂィィ…」 夜は暑さが大分マシだったものの、慣れない環境であまりよく眠れなかったチビンネ、目の下には大きな隈ができています。 その上昨日はほとんどまともな食事に有り付くことができなかったので黄色いお腹は絶え間なく鳴っています。 少年がチビンネの様子を見にきました。 「あっれ~…、やっぱ全然草食べてないぞ…?」 「チィ…チィチィ!」 チビンネはアクリルの壁をカリカリと引っ掻きながら少年に向けて可愛らしい声で鳴きます。 その表情からは「もうここからだして!」「ちゃんとしたたべものをちょうだい!」という思いが窺えます。 「ん~、コイツ肉食なのかな?よし、じゃあ今日はこのピンクの餌を探そう!捕まえた場所の近くを探せば見付かる筈だ!」 「チィィ?」 餌を探してくれると聞いてチビンネの顔に微かに期待の色が浮かびます。 さっそく少年は虫かごを持って昨日チビンネを捕まえた付近を散策してみました。 少し歩いてみると道路に突き当たりました。 車もあまり通っていない様子だったので渡ろうとする少年。 すると、焼けるように熱くなっているアスファルトの地面に恐らく車に轢かれたのか、ペチャンコに潰れて死んでいるフシデを発見しました。 「あっ、虫が潰れてる…肉食ならもしかしてこれ食うかな?」 アクリル越しに触角で少年の考えていることを知ったチビンネはフルフル首を振ってイヤイヤしています。 「うわッ!痛っ!」 フシデの死骸を拾おうとした少年が悲鳴を上げました。 フシデの毒の棘が無造作に拾おうとした少年の掌に刺さってしまったのです。 「痛ぇな…何だこれ…?」 棘の刺さった部分は腫れ上がり、ジンジン激痛が走ります。 「う…気分も悪くなってきた…」 そのうち頭もクラクラとしてきました。相当強力な毒だったようです。 そんな少年とは対照的にチビンネは虫かごに潰れた虫を入れられる危険を一時的に回避できてホッと胸を撫で下ろしています。 パァァ… 「ん…?あれっ?」 急に少年の気分が楽になりました。手の痛みも引いていくのがわかります。 どうやらチビンネの特性いやしのこころが発動して少年の毒を治したようです。 掌の腫れも治り、不思議そうな顔をしている少年はチビンネに目を向けました。 「これ、もしかしてお前の能力なのか?」 不本意ながら少年の毒を治したチビンネはコクリと小さく頷きました。 「へぇーっすげぇな、何て技使ったんだろ?やっぱポケモンってすげぇな!」 結局その後、少年は器用に木の枝を使い、フシデの死骸の一部を千切って虫かごに入れました。 「食べるかなー?」 興味深そうに虫かごを覗く少年。 「チィィ…」 もちろんチビンネは毒のあるフシデの死骸など食べることはできません。 いやしのこころは他人の毒は治せても自分の毒は治せないのです。 そもそも本来タブンネはオレンやオボン等の甘い木の実を好むポケモンで、虫の死骸や草など食べられたものじゃありません。 しかしその夜、遂にチビンネの飢えと渇きは限界に達しました。 二日間何も飲まず食わずで泣いたり汗をかいたりしたのだから生命力の強いタブンネと言ってもさすがに無理はありません。 かなり抵抗はありましたが、仕方なくチビンネは二日間まったく手を付けなかったアイスのカップの水を口にしました。 「ヂィィ~…」 土の混ざった生温かい水はとても不快な味でした。 チビンネの口の中では細かな砂がジャリジャリと音をたてています。 そして一心不乱に草も口に突っ込みました。 「チィ…ヂブッ、チゲッ…フィィ…」 何度も何度も嘔吐きながらチビンネは草を噛み続けました。 三日目 「ヂィィ…チュピィ…」 チビンネは朝から酷い腹痛に苦しめられていました。 虫かごの端で体をキュッとエビのように丸めてお腹を押さえているチビンネ、どうやら昨夜の食事がまずかったようです。 「チィ~、チィ…チィ…」 チビンネのお尻からはドロドロの排泄物が流れ出て白かった尻尾を茶色く染めています。 いつも尻尾には気を使っていたチビンネ、いつもならうんちをした時はママンネが舐めて拭き取ってくれるのですが今はそれを気にしている余裕はありません。 その頃、少年は蒲団の上で体温計を脇の下に挟んで横になっていました。 「あら、微熱みたいね、今日一日蒲団で横になってなさいよ」 「えーっ、これくらい平気だよママーっ」 少年は夏風邪をひいてしまったようです。 「あーあ、暇だな~…」 退屈を持て余す少年。子供にとって一日中何もしないでただ寝ているだけというのはかなり苦痛になるようです。 夜にしっかりと睡眠をとってしまったので眠ることもできません。 「…あっ、そうだ!」 思い出したように起き上がった少年は、窓の外に置いてある虫かごからチビンネを出しました。 「チュ、チィィ!?」 ティッシュを取って乱暴にチビンネのお尻と尻尾に付いた排泄物を擦り取った少年はチビンネに言いました。 「なぁ、昨日ボクが気分悪くなったのを治したあれで風邪を治してよ」 「チィィ?」 首を傾げるチビンネを少年はそのまま部屋の中に入れました。 部屋はスーッとクーラーが効いていて、チビンネが気持ちいいなと思ったのも束の間、少年はチビンネを持ったまま布団に入ります。 「チッチィ、チィチィ!?」 驚いて蒲団から抜け出そうとするチビンネを少年は押さえます。 自分の体に(チビンネを)密着させた方が効果があると思っているようです。 「ヂィ~、チィチィ!チュィ~!」 暑苦しく、息苦しい蒲団の中でバタバタもがくチビンネ、少年はそんなことはお構いなしです。 「まだ治んないなー、昨日はすぐ治ったのに」 「チィィ!チィィ!」 もちろんいやしのこころでは毒は治っても風邪は治りません。 純粋にチビンネの能力は悪い症状を治せるものだと思っている少年にチビンネが説明する余地はありません。 そのうえ腹痛も重なり、チビンネにとっては二重の苦しみです。 「あ、蒲団汚すなよ!」 チビンネの様子に気付いた少年はチビンネの肛門にティッシュを詰めました。 「チィ!チギュィィ!ピィィ…」 チビンネはお尻に手を伸ばしてティッシュを取ろうとしていますが短い手ではなかなかうまくいきません。 腸の中で行き場を失った排泄物が溜まり、チビンネのお腹にはさらに激痛が走ります。 「フィィ…フィィ…」 外側からも内側からも責められ、チビンネの意識はボ~ッと遠退いていきます。 この地獄は、少年の母親が気付いて注意するまで続きました… 「フィィ…フィィ…」 夜になり、何とか自力で肛門のティッシュを取り除くことのできたチビンネ、 腹痛は治まりましたが、ぐったりと横になってハァハァ喘いでいます。 顔を真っ赤にして大量の汗を流している様子から察するに、チビンネは少年の風邪を移されてしまったようです。 長時間一緒にくっついていたのだから無理はありません。 「ヂィィィ…チィ…」 もうチビンネの命は消えかけていました。最早自力で立つことすらできません。 「ミィ!」 その時、チビンネの耳が成体タブンネの鳴き声を捕らえました。 その鳴き声をきいて、チビンネの力なく垂れ下がっていた大きな耳がピクリと反応します。 チビンネは虫かごの外に目を向けました。 チビンネは、ぼやける視界に映ったその顔を見て、パァッと顔を輝かせました。 それは、チビンネの母親でした。チビンネの鳴き声をききつけてここまで助けに来たのです。 「チィ…!チィチィ…」 アクリルの壁に手を付いて母親に向けて鳴くチビンネ。 「ミィミィ!ミィ~~!」 お母さんタブンネは慌ててチビンネを虫かごから出して、いやしのはどうをしてあげます。 お母さんタブンネの優しい波動のおかげで体力の回復したチビンネは大分気分が楽になりました。 「ミィ、ミィィ~!」 お母さんタブンネは泣きながらチビンネを抱き締めます。 くすぐったかったのか、チビンネはひさしぶりに「チィィ♪」と笑顔を見せました。 「あれっ、ピンクがいなくなっちゃった!」 翌朝、少年が目にしたのはひっくり返った空の虫かごでした。 チビンネはきっとお母さんタブンネと一緒に森に帰ったのでしょう。 チビンネと過ごした三日間は、少年にとって良い一夏の思い出になったことでしょう。 おわり 物足りない人向けのチビンネside
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/43131.html
【検索用 ふとうこうしょうねん 登録タグ 2016年 IA VOCALOID おチビさん さかざき ふ 曲 曲は】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:おチビさん 作曲:おチビさん 編曲:おチビさん イラスト:さかざき(pixiv) 唄:IA 曲紹介 「どうせ僕が一人死んだって 地球は回るでしょ?」・・・本当にそう思う? 曲名:『不登校少年』(ふとうこうしょうねん) 歌詞 (動画より転載) 今日 何にもないこの日々に 何人の人が生まれただろう 今日 何にもないこの空を 何人の人が見上げただろう 今日 水曜日 こんな夜に 何人の人が泣いてるだろう 今日 何度思ったかな 何人の人が死にたいと思ったろう 君のその手に触れて 悲しみを覚えた どうせ消えちゃうなら 君の手で壊してよ 今日 平和とは何なのか 何人の人が伝えただろう 今日 食べる事の意味を 何人の人が感謝したのだろう 今日 大切だった夢を 何人の人が捨てたのだろう 今日 最低な毎日を 何人の人が変えたのだろう 相変わらず僕らは 人ごみの中の一人で 未だに怯えている 残酷に血は流れてく ah 涙が止まらないよ 誰か止めてくれないか また自ら絶った音 もう やめて、やめて 君が最後に流した数 以上に 残った命が泣くこと 考えた事 ある? 今日 助けての声を 何人の人が聞いたのだろう 今日 覚えたはずなのに 何人の人が忘れたのだろう 今日 電車のホームで 何人の人が乗り込んだのだろう 今日 何にもないこの僕を 何人の人が見つけたのだろう 綺麗事ばかり 五月蠅いな もう 黙ってくれよ どうせ僕が一人 死んだって地球は回るでしょ? ah 涙が止まらないよ 誰か止めてくれないか また何処かで嘆く音 もう やめて、やめて 君が一人で悩みを抱えても それって誰かに言えない 程の価値が ある? 許されない僕らは 助けての声も出せない 殻に閉じ篭って 泣いたって何も変わらない ah 涙が止まらないよ 誰か止めてくれないか また命が叫ぶ音 もう やめて、やめてよ はぁ 涙も枯れてしまって 静かに僕は胸を刺した 飛び散った僕の血は もう 赤く、紅く 君の涙が止まらなくなっても 終わった命は戻らない 当たり前の事 でしょ? コメント もっと伸びれ☆ -- 名無しさん (2024-04-02 20 45 04) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/dq10_dictionary/pages/1548.html
ボク……帰らなくちゃいけなくて……。 だけど 追い出されてしまったから ひとりじゃ 帰れなくて……。 おねえちゃん ボクといっしょに 帰ってくれないかな。おねえちゃんと いっしょなら ボク きっと帰れるから。 そしたら ボク…… おねえちゃんの頼み どんなことでも きいてあげるから! 概要 【神話篇】のクエストに登場する【人間】。【ロディア】たち6人の女性の前に現れ、【世告げの姫】にした少年。「謎の少年」はクエストリストでの表記。 人物 その正体は【災厄の王】の本来の姿である英雄の6つの理性。 魔物になってしまった王から追い出された理性たちは少年の姿を取り、活動を始める。 ロディアたちの前に突如現れ、泣きながら上記のセリフで訴え、彼女達の願いを叶えるのと引き換えに世告げの姫にさせた。 理性は世告げの姫の中に宿り、共に災厄の王へと出向き、彼を本来の勇敢で優しい王に戻すのが本来の目的であった。 しかし、【シュゼ】と【テルナ】が殺害され、それぞれ宿っていた理性も消えてしまい、目的を果たす事はできなくなってしまった。 クエスト【最後の神話の戦い】において生き残った世告げの姫たちから現れた理性は【闇の溢る世界】にかかっていた幻影を解き 同時に彼女たちを自由の身にしたが、その後の動向から結局彼女たちと最後を共にしたと思われる。 登場 【偽りの星詠み】 【記憶のつめあと】 【囚われの少女】 【ふたりの逃亡者】 【最後の神話の戦い】